ブタの出現は、日本では弥生時代前期。朝鮮半島では紀元前1世紀。中国では7千年前(浙江省田螺山遺跡など)。

以下は、松井章先生のご研究そのものである。其の引用であり、私の研究成果ではないと明言する。

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(1) 本研究を通じて、日本列島における家畜出現の実相、特にブタの存在、牛馬の出現、韓国忠南考古学研究所、中国浙江省文物考古研究所、台湾中央研究院語言研究所、ロシア科学アカデミー極東支部などと研究交流を行い、日本列島の周辺地域における家畜の出現についての見通しを明らかにすることができた。

日本列島では、長崎県原の辻遺跡の弥生時代中期の層から出土したイノシシ属のDNA及び安定同位体による食性分析を行ったが、いずれも野生の結果が出た。愛媛県阿方貝塚の弥生時代前期層と宮前川遺跡群北齊院遺跡弥生終末、庄内期出土のイノシシ属には、東アジア系ブタの値を持つものが得られた。牛馬は畿内では馬は5世紀、牛は6世紀という従来の結果を踏襲した。
海外では韓国忠南考古学研究所による金海ヘヒョンニ貝塚の発掘に参加し、ブタや牛馬が紀元前1世紀にさかのぼることを確かめた。中国では浙江省田螺山遺跡の調査に参加し、7千年前の層から水牛、ブタの出土を確かめることができた。台湾では、台南、恒春半島の遺跡から出土した動物遺存体を調査し、イノシシ属のサンプルを採取したが、野生・家畜の判別をつけることはできなかった。台湾とは今後、本研究を継続することになっている。ロシアはウラジオストック所在の科学アカデミー極東支部を訪問し、新石器時代ボイスマン貝塚1、2から出土した動物遺存体を調査し、サンプリングを行ったが、その分析はまだ結果が出ていない。
以上のように、日本と周辺地域の家畜の出現時の様相を明らかにする目処をつけることができ、今後の共同研究の道を確保することができたことは大きな成果と言える。本研究で培った共同研究の基礎を今後、さらに発展させ、真に総合研究として東アジアにおける家畜の起源とその伝播を明らかにすることができればと考える。

(2)本年度は、韓国慶南考古学研究所の依頼を受け、金海市金海会けん里貝塚の発掘に参加し、環境考古学、動物考古学の面から指導を行った。松井は平成16年3月に最初に現地を訪れ、5月、6月、8月、11月と現地を視察した。分担者である中村と富岡は5月に現地に赴き試料・データ収集を行った。さらに8月には古環境研究所に環境考古学分析を依頼した。その結果、遅くとも紀元前1世紀には朝鮮半島の南端まで牛馬が移入されていたことを明らかにできた。

東アジアにおける家畜の起源と伝播に関する動物考古学的研究-特に豚,馬,牛について

研究課題

研究課題/領域番号15202023
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野考古学
研究機関独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所

研究代表者

松井 章  文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 環境考古学研究室長 (20157225)

研究分担者石黒 直隆  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00109521)
南川 雅男  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科(研究院), 教授 (10250507)
中村 俊夫 (中村 敏夫)  名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
岡村 秀典  京都大学, 人文科学研究所, 教授 (20183246)
富岡 直人  岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (90241504)
研究期間 (年度)2003 – 2006


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