日 畜 会 報,58(7):545-56 1.背 景― わが国 の豚雑種利用 1~2の 先駆 的な試験研究1,2)や特殊な ケースは別 と し て,わ が 国の豚 の雑種利用は1960年 ころの ラン ドレー ス(L)の 導入 に始 まった と言 って良 い.当 時わが国の 豚 は,ほ とん どが中 ヨークシャー(Y)と バー クシャー (B)で あ ったか ら,雑 種 と しては,初 め これ ら品種 の 雌 に ラ ン ドレー スの雄 を交雑 したYL*,BLと い う形 のF1生 産が,さ らにはそれをLに 戻 し交雑 したYL. L,BL.Lと か,少 し遅れて輸入 されるよ うにな った大 ヨー クシャー(W)や ハ ンプシャー(H)の 雄を用いて YL.WやYL.Hな どの三元雑種 も生産 された. Lの 雌豚 が農家 に普及 す ると ともに,そ れを基に し てLH,LWの よ うなF1,ま たLH.Wと かLW.H とかの三元雑種が多 く作 られ た.ま た,そ れ らの品種 を 60年 代 の後半か ら70年 代の前半にかけては,極 端に 無秩 序な交雑 は抑制 に向か い,LW.Hが 肉豚生 産の標 準型 と して認識 され るよ うになったが,70年 代 の半ば 過 ぎ には,デ ュ ロック(D)が 新 たに登場 して,次 第 に 人気 を集め,80年 代 に入 るとHに 代 って三元雑種生産 にお ける止め雄 品種 と して多 く用い られ,LW.Dの 生 産が主流 とな った. 無秩序な交雑の時代 は言 うに及ばず,品 種組合せが一 応標準化 された後 も,生 産 され る肥育素豚,ひ いては出 荷 される肉豚のバ ラツキは大 きか った.飼 養管理や出荷 技術の問題 もあ ったが,遺 伝的 に も品種内変異が大き く, 同一 な品種組合せで も,実 際 に用 いる個体によ って,結 果は至ってまちまちになるのが実情であ った. 新 しい 諸品種 の導入 に伴 い,農 家に対する指導指針 を得 るため,各 県の試験場 や国立種畜牧場で品種特性調 査や雑種試験が盛んに実施 された ことは,言 うまで もな い.な かん ず く雑種 試験 は1960年 代を通 じて,多 かれ 少 なかれ,ほ とんどの県で行 なわれた と...